新しい生活

+++ 名前 +++
May.1999

「クララ」って聞き取りにくいのかな?
うらら?ツララ?くろろ?トララ?
ワタシの発音が原因なのかもしれないけれどよく聞き直される。

そして、「クララってアルプスの少女ハイジの?」とも聞かれる。
でも違うのだ。

「クララ」は作曲家ロベルト・シューマンの奥さんで、
美人で頭が飛びきりいいピアニスト、クララ・ヴィークからとった。
控えめで繊細な子犬だった彼女には「クララ」というイメージが
とてもよく合うと思って付けたのだ。

大人になった今では、控えめはどこかに置き忘れてしまっい
美人ともほど遠いのだけれど
「クララ〜」って声に出したときの響きがワタシは大好き。




+++ おもらしとの戦い +++
May.1999

我が家に来てからクララのおもらしは少しずつ減っていった。
1ヶ月もすると起きている間は、お尻が濡れることはほとんどなくなった。
しかし、寝ているとあっという間にお尻の下に水溜りが出来てしまうので
寝入る頃を見計らっておしっこシートをそっとお尻の下に敷き込むのだ。

カーペットや畳の上にはキルトを敷き汚れると洗濯、という作戦を考えた。
おかげでおしっこ臭い匂いは大幅に改善されたが
水道料金は今までの2倍に跳ね上がった。

水道料金のことよりなにより、
洗濯するワタシを情けな〜い表情で見つめるクララがいとおしかった。
なんとかこの子を幸せにしてあげたい、そのことしか頭に無かった。




+++ 自殺未遂? +++
劣等感の塊だったクララを少しでも明るい性格にするため、
なるべく一緒になって遊ぶように心がけた。
クララが起きている間はとにかく遊んだ。

そうしているうちに少しずつクララは変わっていった。
目が合うと「遊んで、あそんで!」とじゃれ付いてくる。
掃除をしていると、「掃除機よりアタシとあそぼ!」と自己主張する。
だんだんと活発になってきた。
いきいきとしてきた。明るい顔をするようになってきた。

それに反比例してワタシはやつれていった。
クララが寝ている間に仕事を片付けなければならない。
ようやく一仕事終えるとクララが起きてきてじゃれつく。
そして、遊びが激しすぎて腕はみみず腫れと引っかき傷でぼろぼろ、
おまけに睡眠不足で顔は真っ青、頬はこけていた。

何人かの友人はそんなワタシの姿を見て、
「あんた、自殺未遂したんとちゃうのん?」と。
とんでもない、自殺未遂どころか、
明るくなったクララを見てワタシはウキウキだったのだ。
でも、やっぱり顔はやつれ果ててぼろぼろだった。