「天翔けるバカ」;
flying fools ; We Are The Champions
須賀しのぶ・コバルト文庫

一瞬引きかけるような題ですが、これは第1次世界大戦中の 飛行機馬鹿達のお話なのです。
かろうじて空に騎士道精神が残っていたこの頃、売り言葉に買い言葉で イギリスの傭兵部隊に入ってしまったお馬鹿なリック君が主人公。
この部隊に所属するパイロット達はかなり変で、 軽妙なやり取りもあって笑わしてくれるのですが、 それでもやはり戦争のお話なのですね。 人を殺すこともあればもちろん殺されることもあるのです。
しかし、彼らはそれでも空を飛ぶことをやめません。 それだけ空に魅せられてるってことなんでしょうね。
ともあれ。2冊で完結ですし、 このシリーズは、須賀しのぶをまだ読んだ事がない人にはおすすめです。
ためしに一度読んで見ては如何でしょう。

0909


「山海経」
高馬三良訳:平凡社

地理書です。……少なくとも3世紀頃には地理書としてかかれたものです。
卒論書くために一部熟読したのですが、どこかで見たような名前の動植物があちこちに出てきます。本当にこんなん信じてたのか?というような生き物も多数見うけられます。自分の生まれ育ったところから一歩も出ない人が珍しくもなかった時代としてもちょっとどうよって感じがいたします。今の感覚からすると。
「山海経」によると世界は海内・海外・大荒の三つに分けられるのだそうてす。で、海内までは一応けったいな動植物のみなのですが、海外になると奇態な人間もどきが沢山出てくるようになります。つまり、中国を1歩出ると人外魔境、とゆうことなのでしょうかね。

010308


「革命はお茶会のあとで」;
有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険
橘香いくの・コバルト文庫

変人美青年とお人よしお嬢様の大活躍!だそうです。 シリーズの八作目。
軟禁状態から逃亡したコラリー嬢が殺人事件を目撃したことから物語がはじまります。
結局犯人に意外性は感じられませんでしたが、 今回の主眼はリゼット嬢の成長とマイエ氏に春が来そうなこと、でしょうか。
そう言えば珍しくコラリー嬢のおせっかいが良い方面に出てましたね。

0702


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