生活や食事について


どの程度活動してもいいの?生活のレベルは? どんなことに気を付けたらいいの? 病気の子供への接し方? 食事は?飲酒は?喫煙は? 毛染めは?

私は医者ではないので、正確なことは分かりません。
でも、なるべく分かりやすい言葉で、この病気に関する情報を書いてみました。
また、腎内ドクターが掲示板に書き込んでくれた内容も載せています。
情報量が少ないこの病気、皆さんの考えるヒントになればと思っています。


※Dr.腎内は掲示板を訪れて、ボランティアで色々な知識を教えてくれる腎臓内科医です。他の腎臓内科医もおそらく異論がないであろう事実、すなわち何らかのデータあるいはコンセンサスが得られているものにはEevidenceの略)、私の個人的な意見の域を出ないものにはO(opinionの略)をつけることにします。



どの程度活動してもいいの?生活のレベルは?

 この病気になった人の暮らしぶりは人それぞれです。
 それは、発病してからの経過年数にもよりますし、その人の病気のタイプにもよります。

 再発を恐れて、蛋白が消えているにも関わらず、何もせず、ただ安静に暮らしている人もいれば、少々蛋白が出ていても、ステロイドを増やせば、収まるのが分かっている人は、仕事を続けたりと、本当に人それぞれです。

 皆さん、どの程度に安静にすればいいのか、また、どの程度の活動をしていいのか、迷って手探り状態で暮らしている人がたくさんいます。
 また、それは、どうすれば、再発を防げるかという事につながるので、その対応は深刻な問題です。
誰しも、再発したくないですよね。
 掲示板900より

ネフローゼ症候群の生活制限について:

 日本腎臓学会では2年前、「腎疾患患者さんの生活指導・食事療法に関するガイドライン」というものを発表しました(日本腎臓学会誌1997年第39巻1号)。これはBochanさんが望んでおられるような科学的なデータ、つまりどれだけ安静にしていたら再発何%というデータに基づいたものでは必ずしもありません(O)が、これまであまりにもバラバラであった個々のDrによる指導をある程度統一したものにして今後の評価に資することができるという点で評価されてよいと思います(O)。

 これによると、完全寛解状態(尿タンパク陰性)にある場合、生活制限はまったく必要ありません(E)。
 登山もスキーもエアロビも禁止しません。

 しかしこの指針には、完全寛解にありさえすれば現在の服薬内容やこれまでの再発の履歴がどうであっても加味されておらず、これには私個人的には少し異論があります(O)。

 私自身は腎炎・ネフローゼ症候群の生活制限に関しては腎臓内科医の中でもゆるい制限をよしとするほうだと思っていますが、それでも例えばステロイドをまだたくさん(15mg以上)飲んでおられる方には、人ごみにはなるべく出かけない、やむを得ず出かけるときにはマスクと帰宅時に手洗いとうがい、危険なスポーツ(大怪我したら治りが悪いという意味で)は避けるといった注意をしてもらっています(O)。
 また過去に再発をしている場合、例えば明らかに風邪引きや過労などが引き金と考えられれば上のような制限はさらに強調して説明しています。

 ただし問題はBochanさんが指摘しておられるようにどのような安静度で何%再発率が上昇というデータがないこと(実際再発の要因は安静度だけではなくまったく原因不明の再発のほうが多いのでそのようなデータをとることがかなり困難、でも不可能ではない)です(O)。

 すべての病気についていえることですが、ある程度安静によって改善する病気であってもそれで完治するわけではないのなら、それはもう個人の人生観に依存する問題であると思われます(O)。

 ですから私たちにできることは、現在手に入る情報をできるだけ患者さんに提供して後は患者さんと一緒に考えるということだと考えます(O)。統一した基準が必要である反面、結局は個々のケースごとに安静度を決めていかなければならないという点が医学は単なる自然科学ではなく社会科学でもあるという難しさだと思います。実際多くの医者は基準は基準として尊重しても、「ネフローゼ症候群とはこういう病気なんだ。だからこうしないといけないんだ。」というある種の哲学(悪く言えば単なる思い込み)を持って診療にあたられていると思います(O)。またそんなものが自分の中にないと、ただ紙に書いた指導基準だけでは患者さんは納得しないと思います。安静度に限らず個々の医者の意見がバラバラである原因はこういうところにもあると思います。今回は(O)ばかり多くてすみません。

 日本腎臓学会誌が一般の図書館等で閲覧できるのか知りませんが、医学部のある大学の図書館には必ずありますし、腎臓内科医は一人一部必ず持っているはずです。

どんなことに気を付けたらいいの?

 これは、私が一人で考えて、勝手にやっていることであったり、掲示板で読んで、「ふぅ〜〜む、なるほろ」と、取り入れたりしたことです。お奨めはしません。

1.何かを頑張れば、何かで手を抜く。
2.低蛋白(1日約50g)低塩(なるべく)の食事に心がける。特に牛肉はあまりよくないらしい。
3.睡眠は、たっぷり摂る。なるべく11時には寝る。睡眠中に出るホルモンもあるから。
4.休む時は、体を横にする。腎臓に行く血量が増えて、腎臓君も、ホッとする。
5.激しい運動をしたり、重いものを持たない。

病気の子供への接し方は?

 もしも、小さな子供さんが、この病気になったら、親御さんは接し方に戸惑う事になると思います。

 優しくしてあげるのがいいのか、いつもと同じくしているのがいいのか、甘やかしになりはしないか、厳しすぎはしないか?色々と悩まれると思います。

 掲示板の中で、小さい頃この病気になった人が、親の接し方について、自分の経験談からこんな事を書いてくれました。


101/04/11(水)23:01:59 投稿者[ふみ坊 ♂ 26 2歳〜]

【No.6159】 タイトル[小さいころのお話]
こんにちは。

半年で車を2回もぶつけてしまった。役払いにいかなくては…。

さてと、久しぶりに書き込みます。

eiseiさん
息子さんが2歳10ヶ月の時に入院しましたか。
うっ僕とほぼ同じです。僕もそのころに初めての入院をしました。
僕もそれから、何度も再発してしまいました。
ちょっと昔を思い出しながら
僕が思う親がしてくれてありがたかったこと、
そうでなかったことを簡単に書きます。

(小学生前限定)

入院すると、親には苦労をかけます。
2,3歳のころは、病院にもよると思いますが
一緒に寝泊りをしてくれたり、付き添い時間が長いですね。
今思うと、大変苦労はしていたと思います。
子供にしてみれば親が近くにいて当たり前なのかもしれませんが。
おかげでそれほど、さみしくはないですね。

これは、強く思うことなのですが、
病気になったからといって、
あまり甘やかせないでください。
病気だから、しょうがないから甘やかそうとかはほどほどにしてください。
病気の時と、病気が落ち着いた時のギャップはあまりないほうがいいです。

後は僕の親がよくやってくれたことは食事です。
僕のおかげで?家の食卓は塩分少なめです。

また、
子供の気持ちですが、ちょっと曖昧ですが、入院したからといって落ち込みません。
嫌なのが、注射ぐらいです。
それをクリアし、親がほどほどに近くにいれば、そんなにさみしくありません。
僕の場合、医者等の目を盗んで、騒いでたみたいですから(記憶は定かでない)
まあ、そこいらへん大目にみてくださいね。

親にして欲しかった事は
これは、しょうがないのですが、幼稚園、保育園とほとんど行ったことがありません。
再発が多いもので…
確か、2ヶ月ぐらいいったような?
なので、小学生になった時に、友達のいないこと。
また、友達がいない上に団体行動というものが、全然できない。
僕もいまでも苦手です。
もう、おろおろ、おろおろ、なにしていいのやら、さっぱり、さっぱりで
親もいないし、(当たり前ですが)大変だった記憶があります。

後はこれもちょっと難しいのですが、できたら運動もさせてください。
医者に止められる期間が解除されたら、積極的に運動をさせるといいと思います。

再発が長いと運動する期間が短いので、今でも、もうすこし運動ができたらなあなんて思います。

上は僕が大人になって思うことで、偏見があるかもしれません。
でも、一番頑張んなければならないのは、お子さんですけどね。

大変ですが頑張ってください。


現役12歳の女の子も、悩んでいるお母さんにあてて、こんな文章を書いてくれました。

02/08/16(金)12:10:45 投稿者[山p]

【No.2255】

 私も退院まであと1週間のときに、インフルエンザで治療がまた振り出しにもどったときにはがっかりしました。
それから私はなんだかすっかり希望をなくしちゃって精神不安定?みたいになっちゃってもう周りがどうでもよくなっちゃったりしました。
おかあさんともよくけんかしたり、先生や看護婦さんにあたったりして、迷惑をかけました。

 でも1ばん最悪に蛋白がでていて足もむくんでいて、毎日ないていた日々からぬけだせたのが1回だけの3時間の外出。

 ひろ〜い公園でなにも食べたりできないけど、水分もとれないけど、でも愛犬と家族とみんなで楽しくお散歩をしてみたり、看護婦さんとおはなしをしてみたり、毎日家族と公衆電話から会話をしたり、毎週カウンセリングをうけてみたりしているうちに病気がよくなるにつれて希望がもてるようになってきましたよ?退院したらなにしよっかってママと考えたりして。

 それから免疫抑制剤をそのときはじめてつかうことになってまたいろいろなやみました。腎生検についてなやんだり薬がきくかなやんだり。でもきくって信じて治療に前向きになりました。

 そしたらだんだん病気もよくなっていって長かった入院生活のおかげで、インフルエンザになったおかげで退院がながびいたおかげで。

 今は抑制剤のききめがあらわれていて1年間で4回の再発がそれからは一回も再発していません。っていってもまで1年ですけどね!

 それで、私が言いたいのは。やっぱり親が希望をもっていなければ子供はすぐに見抜いてしまいます。私は12歳ですが親がストレスたまってるときや悲しいとき。困っているときすぐにわかります。
ですからそれ以上に小さなお子さんでしたらきっとすぐに見抜かれてしまうとおもうんですよね。

 ですからお母さん!!あなたがいっぱいいっぱい元気になって希望を持って子供と退院したらどんなことしようだとかたのしい夢や希望、未来をはなしてあげるのも大切だとおもいますよ!

 あくまでも子供の考えですしよく意味がわからないとこもあるとおもうんですが参考までに。がんばってください^^

 きっときっと元気になりますよ!

食事は?飲酒は?喫煙は?

 私の主治医は、「塩分とタンパク質については、制限する必要はないです。でも、成人病予防程度の制限はして下さいね。」
と言います。

 でも、このHPで出会った人達と話すと、どうやら、塩分とタンパク質は制限した方がいいらしい、という感じがします。
 私は、そう、肉グワァ〜〜〜っと食べるタイプでもないので、少し、お肉は控えて、味は薄味(もともと)にして、麺類のおつゆは飲まないし、お醤油も少ししかかけないようにしています。
 こんなのでいいのかなぁ〜、と思いながら、時々は欲望に負けて生活しています。

ナトリウム × 2.5 = 塩 の量です。間違わないで下さいね。
 掲示板1002より

Q1.塩分の過剰摂取は腎臓に負担をかけるか?

 ケースによります。
 @全く腎臓に問題がなく血圧も正常の人:No(E)

 @腎臓に問題がない軽症の本態性高血圧:No(O)
    *ただし塩分摂取で血圧が上がるならばYes(O)

 @腎症・腎炎があり血圧も高い人:Yes(E)

 @腎症・腎炎があるが血圧は正常の人:Yes(O)

 @血圧正常で完全寛解にあるMCNS:No(O)

Q2.日本腎臓病学会の指針は?(いずれも添加NaClの一日量)

 腎機能正常な慢性腎炎:7g(浮腫・高血圧があればさらに減)

 MCNS以外のネフローゼ症候群:5g

 MCNS:0〜7g(浮腫の程度による)

 つまりMCNSでは寛解していても7gということになり私の意見とは矛盾します。5g以下は入院でないとまず不可能です(O)。例えば上にぎり一人前には5gはいっていますので、一回外食すれば超えてしまいます。

Q3.不均一な塩分摂取は是か非か?

 上記の塩分摂取が腎に負担をかけるようなケースでは非(O)。つまりアンジオテンシン変換酵素阻害薬を1回飲み忘れるようなものとお考え下さい。寛解状態にあるMCNSではいっこうにかまいません(O)。

Q4.人間に最低限必要な塩分は?

 ごく普通の生活ならばおそらく1〜2gでしょう(O)。この場合の塩分とは飲食物に含まれる総量であって、調理前の肉や野菜などに自然に含まれている塩分も含んでいます。したがって添加塩分(上記の腎臓学会の指針の量はすべてこれです)はゼロでも生きていくには支障はありません(E)。現に旧石器時代の食事はそうであったらしいし、現在でも低開発国の原住民の中にはそのような食生活をとっているケースが少なからずあり、なんとそこには高血圧は存在しません。大量の発汗がある場合は、脱水を防ぐために水分と塩分を補給する必要がありますが、それでも1〜2gで十分でしょう。短時間高温の部屋に入る程度では全く不要と思います(O)。

Q5.ナトリウムと塩分は別物?

 ぐりさんの書き込みのとおりです。塩分=食塩=塩化ナトリウム。Na=分子量23、NaCl=58.5、したがってナトリウム1gは58.5÷23=2.54gの塩分に相当します(E)。カップめんなどの表示は、ほとんどがナトリウムとなっており、これは少しでも塩分を少なく見せるための売り手側の策略で、ある種の憤りを感じます。

 掲示板1022より

「塩物語」

 他人の意見と私の意見がごっちゃになっていますので、この話題に関してはネフローゼ症候群とは切り離して、単なる読み物として「あるある大辞典」程度に軽くお楽しみ(?)下さい。

 前に書いたように昔々の人間はほとんど塩を取っていませんでした。塩が必要となったのは、ひとつにはその日獲った獲物や農耕で得た作物を保存するためだったろうと考えられます。しかし、前回塩分摂取はゼロでもOKと言いましたが、やはり獲物を獲るために一日走り回るためには塩分をとって血圧を少し高めに維持したほうが(後述)、生存に有利だったのでしょう。食塩が海岸線以外ではそう簡単に入手できなかった数十万年の人類の歴史の中で、我々は塩分を「うまい」と感じるように遺伝的にプログラムされているのではないでしょうか。
 そんなわけで人間が文化的に進化すると共に、塩は貴重品となり古代ローマでは兵士の報酬として支払われサラリーの語源になったり、岩塩の産地の奪い合いで戦争が起こったりしたわけです。

 このようにして人間の塩分摂取量はどんどん増えていきましたが、近代になり冷蔵保存や科学的な塩の精製が可能になると塩分摂取は逆に減っていき現在の多くの国での10〜20gといったところになたわけです。
余談ですが、わが国では年々減少してきた一日塩分摂取量が、1987年の11.7gを底として再び増加してきており、これは外食産業の発達と無関係ではないという説があります。いずれにしろ我々人類が豊富に塩分を摂ることができるようになったのは、高々数千年の短い間ということを覚えておいてください。

 さて、次に血圧の話です。1950年ごろから塩分を過剰に摂ると血圧があがるということがわかってきました。
ただしもっと古く中国の医学書には、血圧という概念がないころから塩を摂ると脈が硬くなるという記載があるそうです。確かに塩分摂取の測定法、対象の選定の方法などいくつかの問題はあっても、人間を全て均一な集団と仮定した場合、食塩をたくさん摂ると血圧が統計学的に有意に上昇する、というのは間違いのない事実と言えそうです。事実、世界各国(地域)の塩分摂取量と高血圧の発生率をグラフにとると、きれいな右上がりの直線関係になります。

 ところが、上記のデータをもう少し詳しく検討すると、必ずしも全員の血圧が上昇しているわけではないこともわかりました。統計学的に有意ということは、中には上がらない人もいるがその集団を均一とみなしたならば総じて上がる、というそういう意味です。
つまり塩分によって血圧が上がる群とほとんど変化しない群に分けられるということです。

 また高血圧患者さんにおいても、減塩によって血圧が下がる人と、余り効果がない人がいることもわかってきました。前者を「食塩感受性」、後者を「食塩非感受性」と呼びます。

 ここで興味深いことは、食塩感受性の人は、仮にそのとき血圧が正常であっても将来高血圧になりやすい傾向があること、そして両親に高血圧がある人は例え今血圧が高くなくても食塩感受性を呈しやすいことです。すなわち食塩感受性は遺伝的に決定されている可能性が高いわけです。

 なかなか腎臓に話がもどりません。だいぶ疲れてきました。(++;)

 ダーウィンの進化論が正しいとして、なぜそのようなことが進化の過程で決定されてきたのでしょうか。まず、そのほとんどの歴史を食塩が貴重であったなかで過ごしてきた人類にとって、少量の塩分で血圧を高く維持できるほうが生存には有利だったはずです。しかし現代において、わが国の3大死亡原因(癌、心臓病、脳血管障害)をみたとき、明らかに血圧は低いほうが長生きできます。人類という種は、こういう環境まで見越してそのような集団を淘汰せずに残しておいたのでしょうか。

 ますます腎臓から離れてしまいました。次回、血圧と腎臓の関係を書き込みます。期待しないで、待っていてください。

>Bochanさんへ本HPをお借りして勝手なことを書き込んで楽しむのをお許しください。>いいえ、とんでもございません。(私)

 掲示板1130より

 食事中の蛋白質は、寛解中のMCNSなら体重(現在の体重ではなく標準体重、身長(m)の二乗×22kg)当たり、一日当たり1〜1.1g、尿蛋白が出ているなら同じく0.8gというのが腎臓学会の指針です。もし標準体重が(失礼)50kgなら一日40gがよいことになります。

 掲示板2000.3/1より

 お酒について

 私の知る限り、アルコールが腎臓に悪いというデータはありません。欧米では、一日ワイン3分の1本程度の飲酒は動脈硬化性疾患の発生を減らすという疫学的データがあります。

 煙草について

 こちらは一転して腎臓にも悪いというデータが続々と集まりつつあります。龍二さんが言うように、血管の機能を落とすからです。前に書き込みした(掲示板1022「塩物語」)食塩感受性は、糸球体高血圧(腎臓への負担)・インシュリン抵抗性(糖尿病予備軍ということ、ここではステロイドは無関係)・動脈硬化とお友達です(E)。煙草も動脈硬化の強い促進因子ですから、これらを後押しすることになります。
 一日100本から吸っても肺がんにもならずに長生きする人もいるでしょう。多分遺伝的に煙草の害に強いのでしょう。しかしそうでないか、あるいは上のような動脈硬化促進因子を持った人にとっては、まさにくわえ煙草でガソリンのそばに近づくようななものです。

 掲示板1006より

 腎臓と血圧

 高血圧は腎臓を傷めることがしばしばあります。例えば糸球体腎炎や糖尿病性腎症がある場合、血圧を下げるのと放置するのでは明らかに糸球体(腎臓の尿を作る場所、血管が糸くずのように丸まっていて血液から尿のおおもとが濾しだされる)が目詰まりしていく度合いが異なります(E)。

 しかし、それでは血圧が正常ならこのような目詰まりは起こらないかというとそうでもありません。その原因のひとつに「糸球体高血圧」という問題があります。つまり血圧が腎臓を傷めるのは糸球体が高い圧に曝されるからであって、このようなことは全身の血圧が正常でも起こることがあるというものです(E)。
進行性の糸球体腎炎や糖尿病性腎症の初期がその例です。

 また逆に、高血圧(全身の)があっても糸球体高血圧がなければ目詰まりは起こりにくいともいえます(O)。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)は、この糸球体の血圧を下げる働きのある薬です。
 もともと血圧の薬ですから、全身血圧が下がれば当然糸球体血圧も下がるわけですが、ACE-Iは糸球体高血圧をより強く下げる作用があるのです(E)。

 対照的なのがカルシウム拮抗薬とよばれる降圧薬です。
これは糸球体血圧にはACE-Iの逆の作用があるので、全身の血圧を十分下げない限り糸球体高血圧、すなわち糸球体の目詰まりを防ぐ作用が期待できません(E)。

 このようなわけで、腎炎や糖尿病では好んでACE-Iが使われます。

 もうひとつ重要な要因は食事中のタンパク質です。タンパク質を過剰に摂ると糸球体高血圧が助長されます(E)。
 上記疾患(腎炎や糖尿病)でタンパク制限をする根拠のひとつです。妊娠中も糸球体高血圧になると考える人もいます(O)。中毒症の症状が糸球体腎炎とよく似ているのもうなづけます。

 さて、ここから先は、ある腎臓病学の某教授の説ですので、私は信じていますが全ての腎臓病学者が賛同するわけではないということをお含みおき下さい。
 余談ですが、あるある大事典のような番組のいけない点は、このようなまだ固まっていない仮説を100%正しいものとして紹介する点だと思います。

 その先生の説によると、前回述べた(掲示板1022「塩物語」)食塩感受性高血圧では糸球体も高血圧となっており、感受性高血圧では糸球体血圧は正常であるといいます。

 腎炎や糖尿病では、例え血圧が正常であっても食塩感受性であるので、このような人が塩分を過剰に摂取すると、血圧も多少上がりますがそれ以上に糸球体高血圧が悪化して腎障害を加速させてしまうというのです。

 さらに感受性・非感受性は遺伝的に決まっていると前回書きましたが、この先生によると例え非感受性であっても、何らかの原因(腎症、加齢など)で糸球体が目詰まりすると、それがクレアチニンを上昇させるほどでもない軽いものであったとしても、食塩感受性に変化するというのです。

 実際本態性高血圧の患者さんの自然歴を調べると、このような事実が観察されます。また逆に食塩感受性の高血圧の人でも、厳密な塩分制限を行えば食塩感受性の状態に近づくといいます。前々回の塩分制限の必要性に関する書き込みは、以上の理論に基づいたものです。

 MCNSで寛解中で血圧正常なら塩分制限は必要ないでしょう。しかし尿蛋白が出ていて大量のステロイドを使っていたり、浮腫があったりするときには食塩感受性すなわち糸球体高血圧が生じている可能性があります。このようなときにACE-Iを併用する先生もいます。

 糸球体腎炎がネフローゼ症候群の原因であるときには当然塩分制限が必須です。

 また血圧が正常でもご両親が高血圧をお持ちの人は塩分制限を勧めます。

 さらに別の先生の説で、塩分が直接腎臓を傷害するという説もあります。日々の食事中の塩分を尿として排泄するために、我々の腎臓は非常に高い浸透圧に曝されています。この浸透圧が糸球体を直接傷害するという説で、いくつかの臨床的事実から、あるいは正しいのではないかと私も思っています。

毛染めは?

 私は、毛を染めた経験がないので、何とも言えませんが、染料にどうも、腎臓によくない物質が含まれているみたいです。
 我々は直接腎臓に炎症が起きている病気ではないですよね。そこのところは、どうなんでしょうねぇ?と過去に掲示板で話題になりました。そこで、美容師さんの話から。
毛染めについて  みみさん 掲示板No.4592より

 ところで皆さんここでカラーの話してるみたいなので。私は美容師なのでプロの意見として、そしてネフの旦那をもったものとして聞いてください。

 やはりカラーリングの薬剤の使用説明書にも心臓病、腎臓病の方は医師に相談とか使用しないようにかいてあります。で私も、頭皮から体内に薬剤の刺激物は吸収されると考えてますのでおすすめはしません。でも、少し白髪をかくしたいかたは、マニキュアがあるし、明るくしたいかたは、ウイービングというやり方で地膚につけないように,スジ状にスライスして染めるやり方もありますよ。ただ私もカラーリングの薬剤がどういうふうに病気と関係しているかまでは知らないので、メーカーさんに、電話やファックスでといあわせてみるのもいいですね。

どの程度活動してもいいの?生活のレベルは? どんなことに気を付けたらいいの? 食事は?飲酒は?喫煙は? 毛染めは?